8章2・太上の大宇宙

 

印面の大宇宙の中央、真北の中天には、「太上」の文字が「巨星」として燦然と輝いています。

太上とは『大漢和』に「極至」とあり、つまり“極”に“至る”ことです。極は「無量大

数」10の68乗、逆方向は「清浄」10マイナス60乗であると言う。

それを太極した質量無限大のビック・バンが「寶」です。

極は「至上の位」「北極星」「北極神」を指し、古代の中国では、その位置が動かず天の中央を司り

“天子”の位とされてきました。

太上の極は太極で、『大漢和』に「大道」「太易」「太儀」「太虚」「太極圖」を見よとあります。

『大漢和』によると、「大道」とは宇宙の本體、天地の理法に基づく人類の大道、「太易」とは

宇宙混成以前の太極を言います。また「太儀」とは萬物の根源、宇宙の元気、「太虚」とは宇宙の大

元気、宇宙生成の始まり太極を言う。「太極圖」とは『大漢和』によれば、太極より陰陽二気を生じ

別れて木火土金水の五行の精が凝合し、人類を生ずる。人類は五行によって仁・義・禮・智・信の五

性を得、聖人は中正仁義の道を以て「正」に復歸せしめるとあります。(第3章1・2・太上の太極図

と「正」を掲げ獅子に乗る北極神、参照)。

印文の「太上」は、真北の中天に輝く太上の北極星・北極神であり、大宇宙の根源、森羅万象万物の

大元気、太極宇宙の光です。印文に示す「勅」は、天の意思であり、天印・中央北天の大宇宙「太上」

から、道教の祖「老子」、そして天子である「君」即ち皇帝へと順次伝令され、さらに勅令となって

万民まで垂直に“上意下達”する事を、文字の順位通り「道理」として示しているのです。

そしてその光は、第1章7「漢字と画数の秘密」で説明した通り、陰陽の“交感”、また陰極六画、

陽極の九文字の“交合の点滅”全天の瞬きを、かき消す程の巨大な光となって、「太上」より“垂直”

に地上界へ強烈に放たれているのです。

まさに印面は目を覆うばかりの“光の世界’’、黄金の光を放つ伝説の“天書”です。

天印「寶」は、まさに神・道・たから・印章であり、道教・最高神・大宇宙の神・原始天尊の投影です。