第5章『寶』・人類の「寶」
現代中国下おいて、20世紀最大の発見と言われる「秦」の「始皇帝」
の壮大な軍団「兵馬俑」も、素人目の壮大観や歴史的意義、その他多くの
観点があったとしても、中国が世界に誇る漢字の文明、偉大な思想家群
を排出した知性その”極”、完熟した陶美と”神技”、以下に記す神噐「寶」
の総合的観点から見て比較の外です。
歴史の陰と陽、知性と美意識、人材の量と質その密度、そして時代の豊
潤度の差は歴然としています。
神噐「寶」の大宇宙に匹敵する知の広大さは、「万里の長城」を凌駕する。
この「寶」は、昆崙山脈が稜線を描き重層する峰々の如く、天才・名工が
ひしめく大唐の自由闊達な芸術文化の最盛期に創造された、不滅の金字塔
です。
何千年にわたる中国の、膨大な文化遺産の数々も比較外です。
「寶」は(1)世界に冠たるメードイン・チャイナ・磁器の原点、(2)漢字と言葉
の文化の太極、(3)印章と篆刻文化の極、(4)中国極小工芸美術の極、(5)
中国極大・文化の太上(6)中国漢数術の極(7)唐代科学技術の極(8)太古
伝説神話文化の宝庫(9)占易文化の極致(10)民衆信仰の宝庫(11)皇帝文化遺産
の極(12)道教文化の至宝(13)幻の『方円の噐』(14)森羅万像を印籠する「太極」
(15)天下の覇者が手にする神噐。等々。
今日、中国・台湾・日本、また世界各地に現存する、金、銀、玉・陶磁器その
他膨大な中国美術工芸の宝の数々も、上記の幾つかの観点を有してはいても、
これほど多くの分野を完璧に内包する「寶」の”道””具”は皆無です。それらの
全ては、美術品としての範囲、考古学的遺産としての範囲など、同次元で比較の
対象を持つ品々です。
しかし神噐「寶」は、中国五千年、漢文化の真髄を、美術工芸の極に印籠した
至寶・太極です。
「寶」は太古に遡る唐代以前の、科学・芸術・哲学その他、全ての文化の集積体、
その”極”であり、以後の漢文化圏の全てを照らす”太極”の光です。
21世紀に向かう人類は宇宙や物質の極限の神秘に迫り、科学技術は果てしない
飛躍をとげました。しかしながら、創造された「太極」「寶」は約1300年の昔、その
宇宙開闢の謎とその真理を既に「寶」で”具現”していたのです。第1章7で解説し、
そして今後も迫るであろう、この漢大宇宙、異次元交合宇宙その太極、奇跡の印文「九
文字は未来の超スーパーコンピューターを駆使しても創造の解析は不可能であろう。
また第1章2の三才の色・第4章2の雷神その他、あらゆる奇跡を具現した「寶」再現
の試みは、奇跡と不可能の聖域です。
本書で私がこれからも解明する驚異の数々は、あくまで「寶」の神技・神知の登龍の
門前であり、その印籠する「太極」は想像を絶する漢大宇宙です。
この漢大宇宙「太極」は第1章7・18・19で述べたように、古代エジプト文明やキリスト
文明では「太極」することの不可能な、神への祈りを文字に卦え、漢字を神の化身として
醸成してきた漢文化の真髄です。
神噐「寶」は中国五千年文化の”北極星”であると共に、人類不滅の『寶』です。