第3章・「載」
この章は、これまで解明した偉大な[寶]の、更なる解明を目指す章です。
中国5000年の至宝、[寶]に天隠された神知は果てしない漢大宇宙です。この章を終
える頃、神噐[寶]は、恐らく、我々の前に混沌の全貌を明らかにし、永遠不滅の太極宇
宙を“示”すであろう。
3章は、天地人の「人」とも言うべき章です。歴史解明への私に課せられた、さらなる自
己との戦の章です。
3章を進めるにあたり、この航海の羅針盤とも言うべき『大漢和辞典』(文献1)について
一言紹介し、深く感謝の意を捧げておきたいと思います。
十年前の直感と、その後の私の想像と、無知に近い私の知識一切に希望と確信を与えて
くれた書が、この『大漢和辞典』です。索引を含め全十三巻、失明と戦争などの苦難を乗
り越えて成し遂げられた著者諸橋轍次博士、そして博士に心底ご協力された多くの諸先生方に
深く感謝の意を表する者です。
又、『大漢和辞典』出版社・鈴木一平社長の博士と双壁する、艱難辛苦に、深く謝意を表
する者です。検索巻末に載る鈴木社長の出版後記を拝読し、その筆舌に尽くせぬご苦労に
絶句して、本書完成に向け深く期するものを覚えました。また検索末尾に列記された関係
者一同、また影の力となられた奥様、すべての方々に深甚の敬意を表する者です。
『大漢和』の「漢」の語決は“天の川”です。
まさに天印、九文字の漢字に秘めたのは、漢大宇宙・天の川です。
印文「日」「月」の「○」の象形は、『大漢和』の「解字」の欄に、“一説に□は○に作り
と・・・伝々「圓周」の義“とあり、博士も象形篆文の確認に至らなかった記述がありま
す。[寶]の印文の篆刻はまさにその様に篆刻されており、恐らく将来この印文が公にされ
たなら、『大漢和』に付記されるかもしれないと想像すると、本書作成に際し大きな喜びを
感じるのでした。
又、獅子は天子の「師」に“通ずる”との記述がありますが、恐らく学術的に、厳密・
厳正を期する為“通ずる”との表現で一線を引かれたものでしょう。まさに、この[寶]
は玄宗皇帝の「師」、“天子諌言の獅子”として厳然と存在したのです。(『正倉院寶物』文
献5・43頁“師子面”とある)以上の発見に胸躍る喜びがありました。
まさに『大漢和辞典』は日本文化の[寶]であります。
この『大漢和』と共に、印文解読を戴いた黒川先生と、今や「座右の書」となった一連
の著者、吉野裕子博士、この東王父・西王母とも言うべきお二人に、遠くで私を見守り戴
いております。