第1章10・印中の神々
陀羅絵画には、さらに次のような神々が秘められていると考えられます。
1.元始天尊(北極星・宇宙の最高神) 印字中央、最深部に隠秘。
2.玉清天尊・上清天尊・大清天尊(三清) 印文三行体に隠秘。
3.太上老君(道教開祖・老子) 印文中央に現し・「紐」白磁
の白色に秘める。
4.西王母・東王父(男神・女神の二神) 月と日の陰陽に秘める。
5.白澤(伝説の言葉を話す獅子王) 紐の白獅子で現す。
6.黄帝(道教聖帝) 印面の黄色・伝説の白澤に
秘す。
7.昊天金闕至尊玉皇大帝(天道を主催する神)
8.中天紫微北極太皇大帝(太陽や四季を統括する神)
9.勾陳上宮南極天皇上帝(星を統括し戦争を司る神)
10.承天郊法后土皇地祇(大地山川や万物を生育する神)
7・8・9・10は印文、及び印台側面の壁画に秘める。
11.東方の神(青龍)
12.南方の神(朱雀)11・12・13・14は印面四方の方位に秘める。
13.西方の神(白虎)
14.北方の神(玄武)
15.大明の神(太陽の神)
16.夜明けの神(月の神)15・16は日と月に現す。
17.龍神(帝神) 獅子の造形及び「界」の文字、篆刻九畳篆の技法
に現す。
18.歳星(木星)
19.鎮星(土製) 18・19・20・21・22は中央「太上老君勅」
20.太白星(金星) の五文字及び焼き物の五材そのものに秘め
21.辰星(水星) る。界の文字の田の五画、「五」皇帝の数位
22.?惑星(火星) に秘める。
23.雷公(雷の神) 23・24・25は印台側面の窯変の紋様雲と、
24.雨師(雨の神) 雷を現した嵌入に秘める。
25.風伯(風の神)
26.炎帝(農神)
27.伏義(易の聖王) 27.印文の画数の配当に秘める。
28.蒼頡(文字神) 28.印文の文字に秘める。
29.麒麟(聖獣) 29.麒麟は五色を放つといわれ中央五文字
に秘める。
30.天禄(霊獣) 29・30その他中国伝説、瑞祥の聖獣は「老」
の文字その篆刻の象形絵画に秘める。
上記以外、例えば印文の中央内側「上」「老」「君」の三文字の合計画数は16画となる。
そこは道教の言う「太一」にあたる所で「太一」には古来16神の神々が居ると伝えられる。
その他、我々の窺うことの出来ない道教の八百万の神々が印籠されてあると想像される。
また当然秘められた神々の中央・中心・中天に、この「寶」製造の勅令を発令した皇帝
が遥かな幽玄の大宇宙に天隠されてあると推理される。まさに壮大な道教絵画です。