第1章・「載」

 神噐「寶」は序の章で言及した通り、老子を神として戴く絶対権力者、中国皇帝の神噐

として、完全無欠の印を創造したものと考えます。道教の祖・老子は・無為自然の「道」

を説いておられ、その本源は大宇宙の真理であり道教では神です。

 この老子を開祖と仰ぐ道教の主神は宇宙の真北に星座する不動の北極星です。この大宇

宙の法理・法則全ての道理を完全に印籠した道教大宇宙の真理を凝固した神噐が「寶」で

あり、この北極星を象徴した神噐です。

 そしてまた「寶」は、太古からの宇宙の哲理「易」の象徴“太極”の光でもあります。

 またこの「寶」は古代中国の宇宙観、天地開闢以前の混沌から、陰陽・五行(木火土金

水)と発達した「道」であり、現代宇宙理論のビックバン宇宙と想像します。まさに質量

無限大の極限宇宙その具現“完璧”の“道”“具”と考えます。

 本書が、この完全無欠、絶対無比の“完璧”を創造した王者の印を証明し、太極解明に

向かうには、当然「神噐」の定義が必要です。私は下記の三条が“完璧”たる“神噐の定

義“であろうと規定しこの三条の定義を、神噐「寶」が完全に印籠するなら、それは正に

序章で述べた『大漢和』に戴く神噐「寶」と考えます。

『神噐(完璧)「寶」の定義』

     ・上記完璧の定義1・2・3は神噐に潜む「易」の「九」「一」「五」に当たる

「天子」または“完璧”の絶対条件で、隠秘を示す陰極の「六」数位とともに印文に潜

む易の最重要数位です。

「神噐」とは『大漢和辞典』(文献1)に帝位の相続に伴う宝物で皇帝の象徴の「寶」で、

もとは「璽」と称し王者の印であった。

 この神秘の「寶」には道教の奥義を極めた道家の最高秘術、古来帝王の道術と伝わる門外不出

の“隠形術”で“太極宇宙”全てを印に秘め“天隠”したものと思われます。

 「寶」は道教が揚げる太極宇宙を秘めたもので、「太」(『大漢和』大に通じ)と「極」を

絶対「一」にした極限の大宇宙と考えます。そして、上記完璧の定義1・2・3全てを秘

めた漢大宇宙の天文学的確率の中に星座する極「一」北極神・完璧なのです。

 これより“無限の知”の入り口「登龍門」の扉を開け、史上初めて、完璧に創造された

驚愕の“道”“具”その神秘に迫るものです。

注1・「寶」道・神・宝・印章

 「太極」宇宙の大元気、宇宙を構成する陰陽二気の根本で、太易(天地の變動)・太儀

(万物の根源)、大虚(宇宙生成の始)・大道なり。『大漢和』(文献1)

「寶位」天子の位

「寶座」天尊の座位『道教大辞典』(文献67)

「神噐」『老子二十九』天下神噐・不可為也・為者敗之{注}神・無形無方也噐・合成也・

無形以合・故謂・之神噐也・帝位也。『漢書・敍傅』{注}神噐・璽也『張協・七命』神  

噐化成・陽文陰縵。『大漢和』(文献1)

注2・『大漢和辞典』(文献1)を本書全編『大漢和』と略す。

   また本書9章全てに設けた前文を本旨に重要な訳あって「載」と表します。