第1章6・印台と印字の秘め事
印面と印字には次のような道教及び天の道理が秘められていると考えます。
1.漢字の「漢」は『大漢和辞典』に天の川とあります。即ち、印面は漢字で印された宇
宙です。
2.印字は日界・月界・宇宙の中心で教勅する「太上老君」を示す。
3.「日」と「月」と中央の五文字で「陰陽五行」思想の中国古代の宇宙観を秘める。
4.日と月を囲んだ□の象形は、○の象形を表したもので、中央に天隠した道教の神、北
極星の道標です。即ち、「日」「星」「月」の三光が配当されるのです。
5.「界」の文字は上下「田」と「介」にわけられ共に皇帝の印であることを秘めています。
即ち、日界・月界の「界」字下部の「介」の部分は篆刻で折り曲げて彫ってあります。
これは「九畳篆」と呼ぶ篆刻の技法で「龍」の姿を象形したもので、龍は「皇帝」の象
徴です。また「田」の画数は五画で皇帝の数位であり、伝説の農耕神、「神農」と「農耕
の民」を戴いていることを示します。「民」を天に戴くことは善政を敷く「有徳の皇帝」
であることを示し、さらに「田」は『大漢和』に「蒼龍の宿」とあり、皇帝を象徴した
ものです。即ち、印面の四方に皇帝を表す四龍を配し中央に「龍王」を秘め五龍が配当
されていることを示しています。
6.「田」の文字は蒼龍の宿で「星」を現し、「日」と「月」を囲んだ「□」も○・星を表
します。
7.中央五文字「太」は最上「上」も天子の意味「老」も神「君」も天子「勅」も天子の
命で、全て神また天子で最高の位の文字が配当される。即ち全て唯一絶対の尊位で皆「一」
星を現します。
この最高の位を秘める中央五文字・五星と日と月を囲む□・□の2星を合わせ印面は日月
と、北斗七星が星座します。
8.道教および古代の「神話」・「伝説」を秘めます。
9.印字中央の「老」は印面、漢宇宙の中心に星座し、「老子」「李耳」「現人神「聖帝」「真
人」「仙人」「天神」「天皇大帝」「太上老君」と、日に九回も変幻自在に姿を卦える神字
で、「陰陽」の六画です。
10.日界・月界は陰陽で、易の「乾」「坤」を秘めます。
11.印字の「三行体」は、三陽・三清・三界・三才、その他道教思想の体脈を秘めます。
12.印面「四角形」は四極大帝を拝し、東南西北・春夏秋冬・四大・四象四柱・四生、その
他道教の大脈を秘めます。
13.印字中央「五文字」は五行・五大・五方・五帝座を秘め道教思想の体脈を秘め、特に五
帝座は太微垣中の星座、獅子座のβ星附近の五星を指します。
14.印台の「正方体」の上下及び側面を合わせた「6面」は、東南西北上下(天地)・六合・
六天・六通・その他道教の大脈を秘める。
15.「日」と「月」と中央「五文字」の合計、七星は七曜・七神、その他道教の体脈を秘め
ます。
16.印台の正方体の「八角」は八卦・八極・八神・八門、その他道教の大脈を秘めます。
17.印字全「九文字」は九大・九天・九仙・九皇・九気・九星、その他道教の大脈を秘めています。
上記以外、文言数・語句・字画数・篆刻・紐獅子・印台・焼き物の色その他全てに、道
教の「漢数術」・「易」の64卦・中国古代の宇宙原理「太極」・「神仙思想」・「天子の思想」