中国故宮返書訳


 
 
 貴方から郵便で戴いた獅子陶印、写真で見ました

 貴方がこの印鑑を中国博物館に寄贈する気持ち大変感謝しています

 しかしこの印鑑を多くの専門家で鑑定しました

 これは唐代の品物ではありません、清代の石印です、火で焼くと陶質に変化します

 印鑑の使途は道教信者の証明の符印です

 印の文字は太上老君勅(注・意味は教主の指令)左右の日月は陰陽です

 信教者が何時も使用する大極思想です。唐代と清代の鑑別は、囲いの方形幅が広いのは清

 代で唐代は細幅です、今ひとつ獅子印の鈕(持ち手)は清代様式です

 だから我々の意見はこの印唐代のものではありません

 この印中国博物館に収蔵しません、先生の気持ちには感謝しております

                                                          以上

                                                               

 

上記は中国故宮博物院の訳文です

鑑定結果に意見を述べておく。

石印との鑑定は完全な間違いである

実物を手にして鑑定したものではありません、送った写真を見ての鑑定です

高岡の美術館館長の話しでは、現物を直接見ずに鑑定することは日本では絶対に有り得な

い!

しかもこれは正式鑑定の公文書である

陶磁器との判定は明文化してないが、私は10年ほど前、富山県中央研究所3名、石川県

寺井町九谷焼研究所所長と技術者2名が99、99%陶磁器と判定戴いている

その他、出光美術館・長谷部楽爾館長・京都藤井有隣館藤井善三郎館長日本を代表する館

長に拝見いただいている・さらに県内の西田文兆堂社長他何人もの方々に陶磁器との判定

を戴いている!

それらの事は「寶」本またこのHPにも載せておいた

また石を焼いたものとの見解は、1mmの誤差なく、しかも空洞の無い焼き物は有りえな

!それでその様な判断を下したのであろう

この鑑定は私の解明があらゆる歴史的事象と整合し王敏先生が、異論を唱えたり反論する

事が一切出来ないため、その事を大使館に説明し、陳健大使の指示で故宮博物院が鑑定し

たものである。

即ち私の解明した唐代、玄宗皇帝の神器「寶」であることに中国若手ナンバーワンの王敏

先生が完璧に納得したからである!

勿論これまで寶本の大本、歴史の大脈に誰一人反論を加えた先生はいない

獅子のツマミが清代、また印面の縁取りの幅も清代との見方は、これが唐代のあらゆる璽

印の常識を超えた神器であることを理解しておられない

これは中華の覇者、天子皇帝の象徴の「寶」承天の大寶と命名された、唐朝の神器なので

ある

並みの印鑑の印譜で時代測定しても、鑑定は間違う!

文化大革命で中国の文化人が弾圧をうけた!

文化面で中国は大きな痛手を受けた

取り分け道教が破壊の標的になつた

学者もしかりである

私の本を理解する学者も少ないであろう

 

尚、印面の縁取り幅は正確に1cmである!

完璧を創り上げた神器であるなら、それにも理由付けが無くてはならない

印面の内枠の一辺が5センチである

解明の「寶」本では、気がついていたが、そこまで踏み込まなかった、あらためて大漢和

辞典を調べたが、完璧の理由付けに納得できる記述がなかったので、黒川先生の道教事典

を借りてきたのであらためて調べる

 

印面は地に当たるところ、道教辞典の「地」の欄を見ると「地壇」がある

5cmを唐代寸法3・11で割ると1,6である

地壇は地を祀る祭壇である

道教辞典には「第二の成方は10丈6尺」とある

地の神を祭る祭壇の四方の寸法であろう

鑑定書にある外枠と内枠幅の指摘に答えておく

以上

                             平成17年7月16日