玉井日出夫文化庁長官殿

粛啓

はじめに日本文化の発展のため、身命を挺して

おられる玉井長官に深甚の敬意を表する
ものです。

身の程も弁えず長官に直接、御便りを差し上げ

ます事、平にお許し願います。

前任の青木長官、また広野先生からも既にお耳

にお達しかと存じますが、私は中国40
00年の

至宝、神噐・太極「寶」を解明、発掘した者で御

座います。

政権交代、仕分け作業、また広野先生との重複も

勘案し、昨年来より長官への訴状を差
し控えており

ました。

平成22年1月12日

同封の「訴状」は、前任の青木長官に宛てた最終書状でございます。

その「訴状」にお目通し戴ければ、私の苦節19年の歩みがお分かり戴ける筈です。

重複になりますので「寶」と私の軌跡を極力簡単にご説明申し上げます。

同封写真の獅子印は中国唐代の陶白磁で、唐朝が30年の歳月と延人員何千万人を動員し

て焼成なった再現不可能な“奇跡の陶磁器”です。

もし世界の名工が日本に集結して、古来の焼成法で再現を試みたとしても、その戦いは

果てしない“不可能世界”への挑戦となり、奇跡的に再現されたと仮定した場合、その

総経費はアメリカNASAのアポロ計画の総予算を上回り、焼成の燃料となる樹木は日本

から消失すると云ったら、長官は信じられるでしょうか。

元大阪市立博物館・蓑豊館長(現ニューヨーク・サザビー副社長)他、日本を代表する陶磁

研究家が“焼成不可能”と“断言”した「寶」です。

同封、「ダイジェスト版」にありますが、中国政府が動き、故宮博物院からの公式鑑定書

(但し写真判定)は日本国内の判定と真っ向反対の“自然石との鑑定”です。

獅子が鎮座する印台方形は空洞の無い70×70×47mm1mmの誤差もありません。

このような古来の焼成法で焼いた陶磁器は、私の調べた限りにおいて世界中で一点も確

認致しておりません。

即ち不可能なのであります。

また印面に篆刻された「日界・月界・太上老君勅」の九文字には、中国道教の神秘「易」

「漢数術」を曼荼羅に駆使し、それを奥義「隠形術」『太極宇宙』が天隠されてあ

りました。

説明には到底紙面が足りませんので割愛させて戴きますが、兎に角、未来の“超スパー

コンピュター”でも創造と解析は不可能な奇跡の文言であります。

『太極』の「太」は無限大で「極」は極限、これが一つとなった宇宙は“質量無限大”

の古代の“ビックバン宇宙”で、韓国の国旗は「太極旗」です。

この漢大宇宙「太極」奇跡の文言を印籠した神噐「寶」を宗廟に安置するため、焼成不

可能な陶印を30年の歳月を費やし焼き上げたのです。

この隠形術で封印され太極の文言解読により、遂に唐代歴史の「登龍の門」の扉が開か

れたのです。

まさに神噐・太極「寶」解明・発掘により、世界に鳴り響いた中国文化の黄金期、唐代

の歴史は根底から書き換えに迫られております。

神噐・太極「寶」発見は、ドイツのシュリーマンがトロイアの遺跡を発見した壮挙に匹

敵する世紀の発見と信じて疑いありません。

エジプト最大のピラミッド、クフ王の墓建設は20年が通説です。

この神噐、太極「寶」焼成は元号「開元」〜「天寶」の30年を費やしております。

焼成なって元号を「天寶」と改めたのであります。

勅令を発し、「寶」焼成を命じたのは、「長恨歌」と「開元の冶」で有名な玄宗皇帝です

この獅子印「寶」は日本における伊勢神宮の御神体同様、唐朝の神噐であったが為、

唐代の99%の人々も知る術が無く、また現代に至る約1300年間の膨大な史書にもその痕

跡は、断片かつ微かで、現代に至る全ての史家も知る術がありませんでした。

神噐とは天下の覇者象徴の宝器で、天宝年間の「安史の乱」で賊軍に奪われたのです。

その史実を、詩聖・杜甫が“神噐を元に正せと”今も歴史に叫んでおります。

重ねて神噐「寶」は、唐朝の最高機密であり、更に戦乱で記録が消失したため、唐代の

歴史は、断片かつ斑で不鮮明でありました。

戦乱により、「寶」は歴史の藻屑となり、約1300年間どのような運命を辿ったか分か

りませんが、17年前、宿命的に「寶」と遭遇し、はからずも解明する運命になりまし

た。

この神噐「寶」の解明発掘により、唐代史の空白は埋められジグソー・パズルは完成致

しました。

私はその顛末を踏まえ神噐・太極「寶」発見を、拙速を避け1年を費やし3度、配達証

明付き郵便で前青木長官に御注進申し上げましが、ご返事は戴けませんでした。

私は青木長官に御注進するまでの約9年間(私事により3年中断)、個々の大學教授、有名

博物館館長他50名以上の方々にその真偽是非を問うて参りました。

又大学の諸先生が約3000名は加入していると勘案する「日本道教学会」8回「東方学

会」4回「日本中国学会」4回、加えて「東洋陶磁学会」3回「中国関係学会」1回、以

上の各学会の門を叩きましたが異論反論できず、固く門戸を閉ざし沈黙であります。

拙速を避け、礼を尽くし、段階を踏み、日本中の諸先生、そして各学会を踏破するのに、

足掛け9年の歳月を費やしました。

まさに漢文化の歴史を根底から塗り替える壮絶な戦いでありました。

個々の諸先生方、学会、関係機関、前長官への書状、全て配達証明でお届けいたしてお

ります。

それらの仔細は同封青木長官への「訴状」と、同封小誌「ダイジェスト版」にて概観願

います。

加えて、「文化庁審議委員会」「日本学術会議」「NHK」にも20年3月と11月2度、

配達証明付書状で、ご審議を申し入れましたが今日に至るも一切ご連絡はありません。

これでは、私はどこへ訴えたら良いのでしょうか?

国公立の大學の先生、また各学会には国からの助成金もあろうかと存じます。

国民の一人として、納税者の一人として、深い義憤を禁じえません

私はそのような信じ難い結果を一望して、前青木長官に、日本は「政治」「経済」に加え

『文化』の危機管理も「体」を成していない旨を、御注進申し上げました。

現在、末尾記載のHPアドレスより、日本国内は勿論世界中に発信致しております。

振り返るに、気の遠くなる道を行軍して参りました。

故・草柳大蔵先生・中国美術工芸で世界的にも有名な京都藤井有鄰館・藤井善三郎館長、

吉野裕子博士、王敏女史はじめ日中の真なる雲上の方々が、驚愕の中で「寶」解明発掘

の史実に深いご理解を賜っております。

身の程も弁えず申し上げますが、日本の学会および諸先生が異論反論できないのか、そ

れは行政と同じく縦割り学問であるからであります。

同封ダイジェスト版に添付いたしましたノーベル賞、受賞のアレキシス・カレル博士が

その重大な問題点を著書の中でものの見事に指摘致しております。

私にとって、日本の文化を形成する知層の質と、体制の不備は、まさに“真昼の蜃気楼”

であります。

神噐・太極「寶」の検証には、最低限「陶磁器」「道教」「印章」「漢字学」「易学」「唐代

歴史」などの各部門の最高スタッフによる合同の検証が求められます。

神噐・太極「寶」は、「太極の文言」を考案した天才大宗師・司馬承禎と唐朝の英知の集

積体であります。

失礼ではありますが、これまでの「寶」本をお届けし背走沈黙された先生方では真偽是

非を決するには相当困難と存知ます。

「寶」鑑定には“心眼”と学者生命を賭けた“覚悟”が求められます。

また、陶磁器か否かは公的機関、また日本を代表する幾人もの専門家の先生に、直に拝

見戴き、鑑定は念に念を押して終えておりますが、更に比重測定、超音波、超高性能電

子顕微鏡(印面の粒子測定)などの科学鑑定を望むものです。

そして未だ世界の陶磁研究家の謎である陶白磁の窯場の調査発掘の日中合同チームの編

成を願う次第であります。

私は、従業員数人の零細事業主です。そして100年に一度と言われる大恐慌で、幾人

もの身近な経営者が自殺し、私もまた例外ではありません。

各学会そしてこれまでお届けした公的機関の対応に深い深い義憤を禁じえません。

絶筆を賜った草柳大蔵先生は既にお亡くなりになられ「寶」解明に与力と勇気を賜った

黒川先生、吉野裕子博士も90歳を超え、私の体も爆弾を抱えている状況です。 

小田原会議、いや会議すら開いて戴いているのか?!一通の返書も戴けず、冬の日本海

を見つめております。

長官が替わり、政権も変わり、昨年10月15日、広野先生に、悲願を託しました。

長官におかれましては、既に何らかの手筈は取られておられるかと存じますが、お伝え

することの不十分な所も諸々あり、追走した次第であります。

神噐・太極「寶」発見は、中国4000年文化の黄金期の「唐代史」は勿論「道教史」「陶

磁史」「漢字学」「印章史」「篆刻学」「中国民俗学」「漢詩の世界」「易学」等々あらゆる

分野の書き直し、訂正、補足に迫られる驚愕の事態です。

勿論、諸橋徹次博士が著わされた日本最大の『大漢和辞典』の多くの語句解釈にも加筆、

補正、訂正が求められます。

また神噐・太極「寶」を鎮護する白獅子は東南アジア全域に伝播した獅子文化の基であ

ります。

その伝播面域は万里の長城を凌駕いたします。

唐代天平の精華「正倉院文物」の数々の宝物にあしらわれる、中国皇帝の紋章「龍」と

獅子文物の数が7510で獅子が龍を完全に駆逐しているのは、その証左であります。

まさに漢文化研究に太極の核爆弾が投下されたと云って過言ではありません

この100年に一度と云われる未曾有の大恐慌に、まさに神噐・太極「寶」が降臨いたし

ました。

出版業界、マスコミの取り扱いによっては、現下の「政治」「経済」「文化」に計り知れ

ない影響を及ぼす筈です

ご一報賜れば、「寶」を携え如何なる場へも参上する所存です。

またこの世界遺産とも云うべき神噐・太極「寶」は一個人が所蔵するものでないことは

明らかであります。

「寶」は無償にて文化庁にお任せする所存です。

不作法と身の程も弁えぬ非礼、世紀の「寶」発見に鑑み平に平にお許し願います。

長官のご一報を一刻千秋の思いで、お待ち申しております。

終わりに、玉井長官の本年の御健勝を心よりお祈り申しております。

                                                          敬白

平成2219

     「寶」HPアドレス

 http://www.taikyoku-takara.com