竹内順一殿

冠省

取り急ぎにて、要旨に入らせて戴きます。

同封の「寶」本、未製本の改訂「寶」本、その他の資料は、前回一度に御送りした場合、

竹内委員長に煩雑を強いる事になろうかと愚考し留めたものです。

製本の「寶」本は、私の力量不足もあり、中国研究の専門の諸先生でも難渋される内容

ですので、未製本の改訂「寶」本にお目通し戴ければあり難いです。

さて、前回の資料の中に、約10年前に「寶」本をお届けした第一波の諸先生方の名簿

をご覧戴きました。

同封資料★は「日本道教学会」「東方学会」「日本中国学会」その他第二波の軌跡です。

前伊藤郁太郎常任委員長の疑問とご指摘にも裏づけ資料にて明快にお答えいたしており

ます。

真摯に対応戴いた、伊藤先生への答礼の書状も一読願います

「寶」本刊行以後、約13年、今日まで誰一人異論反論された先生はおいでません。

深い理解と支持を賜った草柳大蔵先生、吉野裕子博士は既に亡くなられ・上杉千郷皇學

館理事長も先月亡くなられました。

私は全てを踏破し退任された青木保長官(★同封)玉井日出夫長官に「訴状」を差し上

げたのであります。

両長官に計5度差し上げましたが、一度も返答無く退任され、現在は外交畑から就任さ

れた近藤長官であります。

やむなく、民主党副幹事長であった広野ただし先生に文化庁に出向て戴き、斉藤孝正主

任調査官が対応した次第です。

「寶」発見による影響は★同封の通りです。

最早この「寶」の問題は我が国の国益が懸かっていると言って過言ではありません。

約20年間、果てしない果てしない道を行軍して参りました。

私に逡巡も、後退も、妥協も皆無であります。

文化庁斉藤主任調査官のお言葉に従い申し入れました、10月10日まで、貴学会から

の明確なお指図をお待ち申しております。

以上竹内委員長の一入のご健勝をお祈り致しております。

                                                                      敬白

平成22920

★「寶」本

★改訂「寶」本

★ダイジェスト版1冊

★学会・文化庁・記録

★その他



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