第七章(二)『界の九畳篆と五龍』
これから話すことは、諸橋徹次博士が心血を注がれた日本最大の『大漢和辞典』における
漢字の根本的問題にまで及ぶ歴史的重大事です
しかもそのことが・・・・・世界の陶磁研究者が未だ果たせぬ唐白磁の窯場発見に繋がる
かも知れない重大な問題が潜む可能性を否定できないのです
そのことは次項でお話しするとして、この漢字の一大発見も、今のところ私の知りうる限り
漢字研究書で目撃してはいません。
それでは漢字、初版本の原稿を修正転載しながら解説いたします。
印文の日界、月界の陰陽二界に象された、「界」の二文字の下の部分「介」の箇所は、篆
刻師により意図的に、折り畳み曲げられ、「龍」の“尾”に似せて、古くから伝わる「雷紋」
のように、二重三重に折り曲げてあります。
第六章(二)の印譜図で既に見たとおり、これは印文の配列による、字数の格差、余白を
埋める篆刻技法の一つとして編み出されたもので、「九畳篆」という篆刻技法です。
この九畳篆に“龍”が秘めてあることは分かっていたのですが、果たして何匹の龍が描か
れてあるのか、長い間私の心に燻る問題でした。
この呪縛から解き放って戴いたのが『中国人の超歴史発想』(文献24−133頁)です。
発売間もない著書を書店で手に取り、立ち読みしていたところ、書中に「含樞紐」につ
いての記述を発見したのです。
私の脳に稲妻が走り、私は図書館の『大漢和辞典』に向かって“一目散”に車を飛ばして
おりました。
著書は王敏女子の手によるもので、さすがに中国12億を代表する才女、懐深く、とて
も楽しい内容でした。
さて「含樞紐」とは、“五帝の中心が黄帝であり、その由来は王者の祖先が五行相生相克
の感応より生まれたからと言われます。
これは漢代の「感生帝説」によるとのことです。
「寶」に彫られた界の文字の上「田」は、「五画」で王の標しであり、その下の九畳篆は
二つに分けられ、二匹の龍、即ち合計四龍を象したものです。
私はこの著書で正に電撃的にヒラメキき、この印文が“漢宇宙”であり、“太極宇宙”を
現したものである事を想起したのです。
「太極」とは“太”と“極”です。
しかも「漢」は天の川です。
さすれば、わたしの“絶対的”“確信”に間違いがなければ、『大漢和辞典』の漢・天の
川に最大の巨星として輝いている筈です!!!!!!!!!
本書、第二章(十七)「易と漢数術」の項で 漢字の画数は易の卦爻でであり「畫敷」は謀
計と解説いたしました。
であるなら漢字の最大卦爻、即ち最大画数に必ず「寶」の秘密が載っていなければなり
ません。
私は、まさに呪文を唱えるが如く“絶対に”を幾度も口走りながら“車を飛ばしておりま
した。
項末@Aに載せた『大漢和』本文を御観覧下さい。それは“正に”六十四画“です。
声を大にして”64画“です。
吉野裕子博士が唱えられた“陰陽の感応”星の瞬きのように“「0」混沌がビィーンと「一」
と化し、陰陽「二」気となり、「四」象し、「八」爻し、「六十四」卦となったのです。
正に驚くべき歴史が突きつけた“事実”です。
と 64画の二文字 |
承禎の名において、『大漢和辞典』の@の注釈に疑問を呈しておきます。
語訳は仏先道後の戦の中から仏教側が注釈したものでしょう。
諸橋博士も注釈出来なかったこの二文字に、今後専門の諸先生方により、さらに考証が
加えられ、『大漢和辞典』に何時の日か晴れてのせて戴く事になるでしょう。
“正に承禎文字として”。
さらに見ると、『大漢和』に「四」は「駟」に通ずるとあります。
“駟”は八尺以上の大きい馬の事を指し、古来この様な大きい馬を“龍”と呼びました。
「寶」に描かれた、界・界の「四」つの九畳篆は、駟の尾で「龍」です。
「寶」の、獅子の尾の造形は、ライオンの尾ではなく「駟」(大きい馬)の尾です。
しかも、田の画数は五画で伝説の聖帝「神農」を秘めます。
中国で「帝」は即ち「龍」であり、「田」は“龍の頭”です。
そして「田」は『大漢和』に、「蒼龍の宿」とあります。
ゆえに「田」は二つに分けられ、龍の勇姿、その全貌を現すのです。
正に“言葉を失うのです”。
もちろん、末尾Cの表にして載せた、中央「土」の欄の上から五段目「黄龍」は、
天隠されてある事は最早述べるまでもありません。
正に驚きを遥かに越えた、宗師承禎の深淵です。
漢字は太古より漢民族にとって、神の化身でありました。
64画を天隠した「寶」は、その「漢」天の川の「大漢」、太極宇宙の北極星です。
尚、門外漢と言うより全くの素人です。これ以上は、専門の諸先生の研究を待つしかな
いが、則天文字の延長線上、開元のルネッサンス「寶」創造の過程で相当の文字が創造さ
れた筈です。
これに関連して未だ学問的に解釈されず放置されたままの文字の一部を、Dに掲載して
おきます。
これらはこの「寶」の考証過程で生み出された漢字と言い切っても過言ではありません
蒼頡像 文字を考案したと伝えられる4ツ目の蒼頡は、 史上最高の”龍顔”と伝えられ、ここでも印文 四龍を示す。 |
天隠です、この日本最大の『大漢和辞典』の最終最大画数64画のとの二文字が世界の
陶磁研究者が未だ謎とする唐白磁の窯場の、在処の鍵が潜むのでは?????
ダ・ヴィンチ・コードを遥かに凌駕する、司馬承禎の魔術??????????!!!!!!!!!!!!!!!
平成19年3月9日