日本道教学会・●●●●会長殿
前略
先般早速当方の神噐・太極「寶」についての公開質問状を貴学会で正式に受理戴き誠に
ありがとうございます。
その後の雑事に忙殺され、受けとり確認の返事が遅れました。
さて受理戴いた神噐「寶」の判定は、単なる学問上の歴史判定に止まる問題で無い事は、
同封の各界に宛てた「添え状」また「寶」本でご理解戴けた事と存じます。
漢文化の歴史を根底から覆す歴史的判定です。
重ねて陶磁器鑑定は既に終えており後は、貴学会の最終判定だけです。
世界陶磁器全集隋唐編に唐・宋の白磁は全く同じと記され、道教世界および唐代史から
照射、検証し、盛唐の歴史に整合、合理すれば、陶磁器の時代測定も、当然の帰結として
“確定”いたします。
道教は勿論、中国研究に永年身を置かれる、日本を代表する方々ばかりです。お送り
致しました「寶」本に枝葉な錯誤などあったとしても、一読戴き、道教各部門から照射し
盛唐の歴史を、“大観”いただければ判定は“明快”に“即答”できる筈と存じます。
重ねて私ごとき素人と違い、永年道教研究に身をおかれる諸先生方です“現物の「寶」
を拝観していない理由などで、判定を保留したり回避するなどは有り得ないと確信いたし
ております。
なお、歴史を語った6章全般、特に9項と★補足は、寶本自体を面白くするため多少
脚色した感がありますが、しかしながら歴史の大脈は外してはいない筈ですし「寶」の歴
史的判断には影響を与えないと心得ます。
同封の「訴状」は先般お送りした「添え状」と共に故小淵総理はじめ各界の方々にお送
りした書状です。
「訴状」「添え状」の通り、これは単なる学問上の問題を遥かに超えた歴史の要請です。
「訴状」「添え状」にあります愛知万博出展、NHK番組制作などを睨み逆算いたします
に最早“時間”がありません。
文化庁も同様、日本の縦割り行政では小田原評定は非を見るより明らかです。国防や災
害対策同様、文化の“危機管理”も欠如している事に気がついておりません。
その様な訳で、多忙を極められる会長始め道教学会会員各位に大変ご無理な要請と充々
承知の上で、平成12年9月5日までに、学会の判定を要請するものです。
神噐・太極「寶」の歴史判定は、中国史の表舞台に登場した大宗師・司馬承禎が130
0年の時空を超え、日本道教学会に箱を置かれる諸先生方一人一人に放った公開質問状で
す。
身の程も弁えぬ平成のドンキ・ホーテー、最早日本屈指のアホと自認しております。
世上の横軸と歴史の縦軸その座標の足場を確かめながらの“覚悟”の仕儀です。
最後に7月14日付けの公開質問要旨は下記の通りでした。
★ この陶印が『大漢和辞典』に戴る唐朝の神噐「寶」で道主皇帝・玄宗皇帝が勅令を発
し焼き上げた神噐・太極「寶」と断定した私の結論に異論があるか否か。
しかし上記質問要旨では学会の公式見解取りまとめに苦慮されることが観え以下のような
公開質問要旨に問い直した方が良いかと愚考いたしました。
「寶」本で考証した、唐朝の神噐「寶」について枝葉な問題点は除き、歴史の大脈に異論
反論が有るや否か。
以上、上記★の質問を突き崩す決定的反論無き場合、この「寶」本、獅子の陶印が唐代
・玄宗皇帝が勅令を発し制作した神噐と見なします。
歴史の大本、「寶」の論旨を根幹から突き崩す反証の無いご回答、また玉虫色の無難
なご返答は、「寶」を認めたと解釈し、インターネットで世界に公表する事といたします。
最早、ご明察の事と存じますが、これは漢文化の歴史を塗り替える歴史的大命題であ
り、中国研究に身を置かれる全ての諸先生が避けて通る事の出来ない緊急の大問題と心
得ます。
唐突かつはなはだ勝手な要請ではありますが、事の重大性に鑑み、日本道教学会の早急
な対応を要請するものです。
盛夏、会長はじめ会員各位のご健勝を心よりお祈り申し上げます。
敬具
平成12年8月10日
同封書類・「訴状」その他