23・『漢字学』
  『漢字学』、全くのド素人が、この様な問題に踏み込み、何かを語る事は許される事では無い。
 学問を冒とくしているとしか言い様のない事である。
 それでも、敢えて尚、この「漢字学」の分野にも、どうしても一石を投じなければならない重大な事実を「寶」究明の過程で発見した。
 そして、その発見に至る道筋から、新しい観点から漢字を考察する道が開けるのではないか”現在の漢字研究者が、見落としている視点があるのではないか”と強く考えるに至った。
 それは、漢字の▲『画数に潜む「易」』からの文字の考察である。
 昨年の4・5月頃であったと思うが、NHKの大河ドラマの、前の番組、確か「ホントニ・ホント」と言う番組?にも、「寶」解明の過程で発見した、漢大宇宙の“巨星”の本当の意味を知らず放映されていたと私の友人が、番組を見て駆け付けてくれた。
 この後すぐ発表するが『大漢和辞典』著者・故諸橋博士も、その出典の意味を気付けなかった漢大宇宙、漢字の巨星にも「易」哲理と「寶」が厳然と潜むのである。
 私は「寶」究明の途中、漢字の画数に潜む「易」および「陰陽五行思想」の視点から文字を考察した本格的研究書とは出会わなかった。
 ▲『則天文字』創造の唐代は漢字に対する霊妙な宇宙が膨脹した時代です。 素人で詳細な資料はありませんが、相当な漢字が創造された時代の筈です。 そして、唐代は「易」と「陰陽五行思想」の太上に輝く“太極”が漢宇宙の基です。                              当時創造された文字に「易」と「陰陽五行」その太上に君臨する『太極』の光が投影されていない筈はあり得ません。
 この重大な問題についても、幾人かの先生に、お電話を入れ、そして著書をお送りしたが、ほぼ1年が経過したが、未だ一切ご返事は無い。
 お忙しいのであろうと自分に言い聞かせている。
 なお、則天文字の研究で大きな足跡と、本書「寶」解明に大きな示唆を戴いた▲蔵中進先生そして、暖かい声をかけて戴いた▲白川静両先生の学恩にこの場を借り厚く御礼申し上げます。

 突貫工事です、少々荒っぽく話しを進めさせて戴きます。
 この「寶」の象徴、印台に鎮座する紐の聖獣は「獅子」で有るが、古来より中国皇帝の▲『象徴は『龍』であった。
 当然、皇帝の象徴「寶」には、獅子以外「龍」も当然秘められてなければなりません。
 「寶」は森羅万象を全てを印籠する「方円の器」であり、「印面」は“太極の神知”を天隠した“太微宮”その『登龍門』である。  
 そこには当然、古来よりの皇帝、象徴の『龍』が印されてなければならない。
 もし龍が印されていないなら“完璧の道理”から完全に失格し、神噐・太極「寶」では無くなるのである。
 多少中国関係を勉強し、関心の深い搭乗者の皆さんであるが、この時点で、この「寶」のどこに明確に“龍”が印されてあるかお分かりになる人がいたら、かなりの水準の方です。
 時間との戦い、話しを進めます。
 印面に“龍”が印されてあるのは、早い段階から分かっていた。
 印面の写真をハイビジョンに写し出しますので御覧戴きたい。

      
               


 篆刻の技法に▲『九畳篆』がある。
 この「九畳篆」は文字を幾重にも折り曲げ、印面の余白の空間を埋める、篆刻技法の一つであるが、古来この技法は「龍」を現したと言う。
 印字の「界」の文字の下部「介」の所が、幾重にも折り畳んである。
 これに「龍」を秘めた事は分かっていたのであるが、果たして何匹の龍が篆刻されてあるのか?「寶」解明中の大きな問題であった。
 この私の胸のつかえの様な、疑問に稲妻のごとく閃かせて戴いたのが、千葉・成徳大学客員教授・王敏博士の『中国人の超歴史発想』である。
 子細は「寶」本に、記してあるが、とにかくこの龍が2匹なのか4匹なのかは私の大問題であった。
 私は書店で立ち読みしていた時、博士の著書の▲「含枢紐」の箇所で、まさに稲妻に打たれたように、閃いたのである。
 まさに図書館の『大漢和辞典』に向かって、猛スピードで車を走らせていた。
 『大漢和』漢大宇宙の最大巨星に必ず、その答えは載っている〃
 “絶対に”を、幾度も呟きながら、車を飛ばしていた。
 『大漢和』の最大巨星、それは漢大宇宙の最大画数として輝いていなければならない〃。





 

御覧あれ”まさに“龍は四匹”である。
 漢字の画数は易の横段の数である。
 『大漢和』約5万字収録の最大画数は八×八=64卦・易の“太極”と同数である。
 漢字の発祥は▲甲骨文字すなわち亀の甲羅や人骨を焼いて吉凶を占った、易の横段の数、その膨脹・進化の結果である。
 漢大宇宙に太極を文字に卦えた・八×八=64卦、それ以上の画数の文字は無い。


 文字を考案したと言う、図の▲『蒼頡』は伝説によれば四つ目であったと言う。そして文字神・蒼頡は最高の龍顔であったと言う。
 『大漢和』最大巨星この“二文字”は「寶」創造により考案された文字である。
 間違いは無い”。
 『大漢和辞典』の、二文字・龍の方には、訂正もしくは、「寶」の注釈を加えねばならない。
 また▲『興』の方には、いずれ「寶」本に記した、歴史的記述が加えられる事を祈っている。
 それらは、歴史が答えてくれる筈である。
 以上、この様な、易・陰陽五行その太極の光から照射された漢字の研究書に出会は無かった事は驚きであった。
 いずれ、この二文字は「寶」文字、「承禎文字」として大漢宇宙に記される筈である。


                
平成12年4月29日