16・『訴状』

 この『訴状』は、最終仮本・「寶」が完成した平成11年9月5日より日本を代表する各界の方々にお届けした。
 


 謹啓 
 
 はじめに、日本国のため、日々身命を捧げておられます貴下に、深甚の敬意をはらうものです。

 遥か遠くより、深く御尊敬申し上げておりました貴下に、恐れながらこの度、謹んで御注進申し上げます。            
 お届け致しました題名「寶」の著作は門外漢が、日本最大の『大漢和辞典』に載る中国5000年の至宝、神噐「寶」について史上はじめて解明し、その存在を立証した本です。

 この神噐「寶」は中国文化の黄金期、約1300年前の、唐の時代に、あの有名な玄宗皇帝の勅命により製作された、神噐「寶」です。

 解明の結果、この神噐「寶」は、24年の歳月をかけ焼き上げられた、傳国璽、改め“承天の大寶”と命名した唐朝の神噐で、今日では焼成不可能な“奇跡”の陶磁噐です。
 さらに、この印面に篆刻された印文「九文字」は天文学的確率の中から創造された、漢文化の神知“太極”の神秘が天隠されてありました。
 そして、この神噐「寶」こそ、老子“五千言”第40章から創造され、後世に伝わる幻の噐“方円の噐”でありました。
 さらにこの台座に鎮座する獅子は、中国は言うにおよばず、東南アジア全域に広がる獅子文化の原点、基であります。

 即ち、正倉院の獅子文物、狛犬・獅子舞のルーツであります。
 この神噐「寶」は、天寶年間の“安史の乱”に強奪され、以後歴史の闇に消え、その行方は一切不明で、今日までの、あらゆる歴史書、文献にも登場しない、幻の「寶」です。               
 神噐「寶」は、史上初めて公開される、漢文化の至宝であります。

 この神噐「寶」発見は、20世紀の最後を飾る、今世紀最大の発見と信じて疑いありません。
 発見いたしました、この漢文化の至宝、神噐・太極・「寶」を、日中友好と、混迷する日本、そして21世紀を担う若者の、希望の“寶”に役立てたく、謹んでご注進申し上げるものです。
 申すまでも無く、現下の大恐慌は想像を絶するものです。

 その大恐慌を脱する国民の願いを込め、2005年、世界大博覧会、愛知万博が開催されます。

 私はこの愛知万博に、この中国5000年の至宝、神噐「寶」を出展し、大会成功の一助になればと深く祈念いたしております。

 また大会のフィナーレに、日中友好のシンボル、両国の懸け橋として、「寶」を中国政府に無償返還する事を希望しております。
 この夢をかなえるには、愛知万博実行委員会、日中友好協会、中国政府、NHK,日本政府関係各位の、御理解と連携が不可欠であります。

 どうかこの「寶」本をご一読戴き、私心なき私の願いをおくみとり戴き、21世紀の“希望の扉”を開いて戴きたく、衷心よりお願い申す次第であります。

 以上、身命を賭してご注進申し上げます。
 この奇跡の太極「寶」発見の、歴史的快挙に免じ、未熟者の不調法と不作法の段々、平にご容赦願います。

 これまで、ご高配を賜った諸先生方、関係機関との経過、そして「寶」の一応の全貌は、同封いたしました別紙に詳しく記してあります。

 遺書を認め、神仏に祈り、祖先の御霊に誓い、身を挺した6年間は、一日平均15時間を確実に超える、言葉にならぬ歳月でありました。
 別紙、添え書きをお読み戴き、本書「寶」を、ご一読願えれば、解明、執筆に、不眠不休で突き進んできました私の労も報われます。

 遠く北陸の地より伏して、伏してお願い申し上げます。

敬白  

平成11年9月吉日

「大和」平成12年4月27日